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〔瀬戸内:子孫、毛利編〕


そんなことをしている間に船は順調に毛利領に到着した。

碇を降ろし、船を止める。

「本当について行っても平気なのか?」

「おぅ。大丈夫だ!泉を元就に会わせて見てぇしな」

「フン、くだらん。野蛮人め」

湊と泉は元親について船を降り、毛利 元就の待つ城へと向かった。

城内の一室で待つよう告げられ、数分…。

「おい、長曾我部。そこの二人は何だ」

挨拶もせず、入室してきた元就は元親の隣に座る二人に目を止めて言い放った。

うわぁ、この言動泉そっくりだわ。

この方が毛利 元就か。

「あぁ、コイツ等はここへ来る途中海で拾ってな。湊と泉だ」

湊はとりあえずペコリと頭を下げて名乗った。

「長曾我部 湊です。未来からやって来た元親様の子孫です」

そう正直に告げれば元就の口端が嘲笑するように歪んだ。

「何を言い出すかと思えば…」

「まぁ、待てよ。まだ泉の紹介してねぇだろ」

元就の言葉を遮り元親が言う。

泉はスッと背筋を正し、口を開いた。

「御初に御目にかかります。毛利 元就様。私は毛利 泉、貴殿の血を受け継ぐ者に御座います」

普段の毒舌から想像できない丁寧な言葉遣いで泉は挨拶をした。



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